アウトプットメモ

大豪院 邪鬼のメモです

総合技術監理部門 令和4年度 Ⅰ-1-6

※問題文及び正答は日本技術士会のホームページから確認してください。

解説

①例えば、ある工場の工程A(5個/日)がボトルネック工程になっており、改善によって10個/日の生産能力を持ったとします。

しかし、工程Bの生産能力が8個/日であった場合、全体の生産能力は8個/日となってしまい、ボトルネック工程が工程Bに移動します。

TOCではボトルネック工程より前の工程はプル型生産方式、後の工程はプッシュ型生産方式となります。

プル型生産方式は、言い換えれば引っ張り方式です。下流の作業工程から上流の作業工程に原材料の調達や作業準備、作業開始のタイミングを通知します。

プッシュ型生産方式は、言い換えると押し出し方式です。上流の作業工程から下流の作業工程に原材料の調達や作業準備、作業開始のタイミングを通知します。

ボトルネック工程のスケジュールがサプライチェーンの最終工程に通知されるという手順はありません。

ボトルネック以外の工程が、ボトルネックの処理能力以上に生産ペースを上げてしまうと、在庫や人員の過不足が発生するため、全体の工程はボトルネック工程のペースに合わせます。

④工程に余裕が無ければ、一つの工程のストップによって以降の工程がストップしてしまいます。TOCでは工程にバッファ(余裕)を設定し、不具合発生時のスループット減少を抑えます。

スループット=製品を販売して得られるキャッシュから、製品を販売するために投資したキャッシュを引いた額。

※バッファ=余裕のこと。

⑤非ボトルネック工程を改善したとしても全体のペースはボトルネック工程に依存するため、スループットは増加しません。

参考

1) カフェ de 読む 図解 エリヤフ・ゴールドラットの制約理論がよくわかる本(中野 明)

2) MBA用語集(グロービス経営大学院

3) PUSH型とPULL型生産システム(ASPROVA)