アウトプットメモ

大豪院 邪鬼のメモです

総合技術監理部門 令和3年度 Ⅰ-1-1

※問題文及び正答は日本技術士会のホームページから確認してください。

解説

①費用便益分析
費用便益分析は、ある年次を基準年とし、事業が行われる場合と、行われない場合のそれぞれについて、一定期間の便益額、費用額を算定し、道路整備に伴う費用の増分と、便益の増分を比較することにより分析、評価を行うものです。
外部経済とは、ある経済活動が市場を通さないところで第三者に良い影響を与えることを意味しています。外部不経済はその反対で、ある経済活動が第三者に対して悪影響を及ぼす場合を指します。
費用便益分析では、外部経済(外部不経済)を対象とするのではなく、事業そのものの費用と便益を比較します。
②費用効用分析では投資した費用と、「効果」によって「向上した主観的な満足の度合い・効用」を比べ、評価します。

ちなみに、費用便益分析では、総便益と総費用をすべて貨幣価値に換算します。

③アウトカム指標
アウトプット指標とは、施策・事業の実施により直接発生する成果物・事業量(アウトプット)を表す指標のことです。
これに対してアウトカム指標とは、施策・事業の実施により発生する効果・成果(アウトカム)を表す指標のことです。
例えば道路の整備延長というアウトプットに対して、渋滞の緩和というアウトカムが挙げられますが、この場合のアウトカムは貨幣価値に換算するのではなく、渋滞の緩和そのものがアウトカムになります。

④正味現在価値(NPV)は将来発生するキャッシュフローの現在価値から初期投資額を引いた差額により投資の意思決定を行います。

内部収益率は投資によって得られると見込まれる利回りと、本来得るべき利回りを比較し、その大小によって投資を判断する方法です。

それぞれ影響する要素が異なりますので、大小関係は一致しないこともあります。

⑤回収期間法とは、投資額の回収期間を求め、それが満足しうる水準であるか否かによって投資案を評価する方法です。回収期間が短いほど高い順位が与えられることになります。

回収期間法では、回収期間後のキャッシュフローは考慮されません。

参考

1) 費用便益分析マニュアル(国土交通省道路局都市局)

2) 説明できる?経済用語「外部不経済」の意味と具体例(DIME

3) 『アウトカム指標』とは(国土交通省

4) 設備投資の経営判断③回収期間・収益性の算定方法(白井経営コンサルティング事務所)

5) 費用効果分析・費用便益分析・費用効用分析 |事業評価(鹿夫のエンジニア資質向上計画)

6) 投資の意思決定(NPVとIRR)(弁護士法人デイライト法律事務所)