アウトプットメモ

大豪院 邪鬼のメモです

総合技術監理部門 令和4年度 Ⅰ-1-29

※問題文及び正答は日本技術士会のホームページから確認してください。

解説

AI利活用ガイドラインからの出題ですが、ガイドラインを知らなくても感覚的に正解できる問題です。

選択肢②は明確に間違いであることが分かります。権利侵害が発生した後に対策をするというのは、権利侵害が発生することが分かっていながら権利侵害を受容することになってしまいます。

選択肢②以外は当たり障りのない内容となっており、不適切といえるだけの材料すらありません。

 

①AI利活用ガイドラインの序文において、留意事項について以下のように示されています。

AIは、利活用の過程でデータの学習等により自らの出力やプログラムを継続的に変化させる可能性があることから、開発者が留意することが期待される事項のみならず、利用者がAIの利活用において留意することが期待される事項も想定される。

②AI利活用ガイドラインにおいて、AIの適正学習のうち、データの質について以下のように示されています。

AIによりなされる判断は、事後的に精度が損われたり、低下することが想定されるため、想定される権利侵害の規模、権利侵害の生じる頻度、技術水準、精度を維持するためのコスト等を踏まえ、あらかじめ精度に関する基準を定めておくことが期待される。精度が当該基準を下回った場合には、データの質に留意して改めて学習させることが期待される。

③AI利活用ガイドラインにおいて、AI利活用原則のうち、連携の原則について以下のように示されています。

AIサービスプロバイダ、ビジネス利用者及びデータ提供者は、AIシステム又はAIサービス相互間の連携に留意する。また、利用者は、AIシステムがネットワーク化することによってリスクが惹起・増幅される可能性があることに留意する。

④AI利活用ガイドラインにおいて、AI利活用原則のうち、尊厳・自律の原則について以下のように示されています。

AIサービスプロバイダ及びビジネス利用者は、消費者的利用者にはAIにより意思決定や感情が操作される可能性や、AIに過度に依存するリスクが存在することを踏まえ、必要な対策を講じることが期待される。

⑤AI利活用ガイドラインにおいて、AI利活用原則のうち、公平性の原則について以下のように示されています。

AIサービスプロバイダ及びビジネス利用者は、AIに用いられる学習アルゴリズムにより、AIの判断にバイアスが生じる可能性があることに留意することが期待される。特に、機械学習においては、一般的に、多数派がより尊重され、少数派が反映されにくい傾向にあり(バンドワゴン効果)、この課題を回避するための方法が検討されている。

参考

1) AI利活用ガイドライン(AIネットワーク社会推進会議)