アウトプットメモ

大豪院 邪鬼のメモです

総合技術監理部門 令和4年度 Ⅰ-1-18

※問題文及び正答は日本技術士会のホームページから確認してください。

解説

アプリケーションソフトウェアも著作物として著作権法上の保護を受けており、原則、著作者に無断で複製することはできません。

著作権法第二十一条

著作者は、その著作物を複製する権利を専有する。

しかし、著作権法第四十七条の三において、

プログラムの著作物の複製物の所有者は、自ら当該著作物を電子計算機において実行するために必要と認められる限度において、当該著作物を複製することができる。

とされており、メディアの破損に備えたバックアップ・コピーは必要と認められる限度内であると解釈され、著作権法に違反しません。

著作権法第四十五条

美術の著作物若しくは写真の著作物の原作品の所有者又はその同意を得た者は、これらの著作物をその原作品により公に展示することができる。
2 前項の規定は、美術の著作物の原作品を街路、公園その他一般公衆に開放されている屋外の場所又は建造物の外壁その他一般公衆の見やすい屋外の場所に恒常的に設置する場合には、適用しない。

本選択肢の場合、作品を購入していますので、企業は作品の所有者です。また、本社ビルのロビーは第2項の例外には該当しませんので、著作権法に違反しません。

③「選択肢①」で述べたように、著作物を無断で複製することは原則として著作者の複製権を侵害することになりますので著作権法に違反します。

しかし、例外的に私的利用や教育機関における複製が認められる場合があります。

本選択肢の場合、東京地判昭和52年7月22日「舞台装置設計図」事件において、企業その他の団体において、内部的に業務上利用するために著作物を複製する行為は、その目的が個人的な使用にあるとはいえない、とされています。

知的財産権のうち、回路配置利用権(半導体集積回路の回路配置に関する法律)に関する問題です。

回路配置利用権を取得するためには、設定登録申請が必要になります。

※マスクパターン=半導体バイスの原版(フォトマスク)の回路パターン。このマスクを転写することにより半導体バイスが大量生産される。

著作権法第五十三条

法人その他の団体が著作の名義を有する著作物の著作権は、その著作物の公表後七十年(その著作物がその創作後七十年以内に公表されなかつたときは、その創作後七十年)を経過するまでの間、存続する。

参考

1) 13歳からの著作権(久保田裕)

2) 押さえておきたいコンピューター・プログラムの利用に関連する著作権問題(BUSINESS LAWYERS)

3) 著作権法(e-Gov法令検索)

4) Q.書籍をコピーすることは著作権上問題になりますか?(牛田特許商標事務所)

5) 半導体マスク製造技術の革新(伊藤正光)

6) フォトマスクに関する特許出願技術動向調査報告(特許庁総務部技術調査課)